ライフスタイル型ファッションブランドが急増している理由

近年、アパレルショップでは洋服やアクセサリーだけにとどまらず、インテリアや雑貨などの展開にも力を入れ、1つのショップでさまざまなアイテムが購入ができるようになりました。 そんな「ライフスタイル型ファッションブランド」はなぜここまで急増し、成長するまでになったのでしょうか。

火付け役は「ロンハーマン」

 

日本を代表するライフスタイル型ファッションブランドといえば、「ビームス」や「シップス」「ニコアンド」などが有名です。

 

そんな中、アメリカ西海岸をテーマとした「ロンハーマン」が2009年日本に初上陸し、その珍しさから多くの人の目に留まります。

 

瞬く間に人気ブランドの仲間入りを果たし、ロンハーマンのアイテムを持つことがステイタスとなるまでに発展しました。

 

ロンハーマンは、1976年にアメリカ・ロサンゼルスでライフスタイル・セレクトショップとして設立。

 

パーカーやスウェットなど、ラフなデイリーアイテムが多いブランドですが、世界のセレブやファッショニスタたちがこぞって愛用し始めます。着こなしやすいのに洗練された高いデザイン性で、今や世界中で大人気のブランドに。

 

日本でも現在、東京、神奈川、大阪、名古屋など、全国に出店して人気を集める傍ら、カフェ事業も展開。おしゃれに生きる人のライフスタイルを支えるスタンダードブランドとして、不動の人気を獲得しているのです。

 

そんなロンハーマンをお手本に、多くのファッションブランドがデイリーアイテムに力を入れ始めます。今日では、ライフスタイル型ファッションブランドは私たちの生活に根づき、トータルライフを提案してくれる身近な存在となりました。

大型ショッピングモール・アウトレットの台頭

 

最近では、郊外型のショッピングモールやアウトレットなど、ファミリーでショッピングしやすい環境が整っています。

 

大型ショッピング施設には多くの店舗が立ち並び、洋服からインテリア、雑貨、調理器具まで、ユーザーが購入を検討しているものは多岐に渡ります。

 

「洋服を買いに行く」という購買行動だけにとどまらず、その場所に出かけること自体が休日のイベントになるのが、ショッピングモールやアウトレットに共通する特徴です。

 

ドライブがてら一家団らんのひとときを過ごしたり、カップルのデートコースとして、長い時間滞在するスポットとなっているのです。

 

1日中いても回りきれないほどの広大なフロア。雨の日も駐車場から濡れずに移動でき、ショッピングから映画、食事やカフェまですべてが揃います。

 

そこに行けば有意義な時間が過ごせると分かっていれば、誰もが行きたくなるのも当然です。

 

せっかく来たのだからと、ついたくさんの商品を買って帰りたくなるのが買い物客の心理というもの。

 

洋服と一緒に、お気に入りのインテリアも購入するという行動にも無理がなく、それを1つのショップで叶えられるのは、買い物客にとっても効率的なのです。

シンプルなデイリーファッションが重視される時代になった

 

ファッションは着飾るものだった時代から、自分のライフスタイルを表現する手段の一つに変化したことも、ライフスタイル型ファッションブランドが市民権を得た理由として挙げられます。

今やシェアリングやミニマリストが主流となり、物を持たない世代はますます増加。シンプルだけれど豊かで丁寧な暮らし方が、憧れの的となっているのです。

派手な装飾品は必要ない、そんな物欲のない世代が、最低限のもので自分自身をどう表現するかと考えた時、デイリーファッションそのものが手段になります。

ファッション誌でも、限られたアイテムでやりくりする1ヶ月着まわし術は、必ずと言っていいほど毎号登場する人気企画です。

 

ファッションはただ洋服を着るという便宜上の役割だけでなく、自己表現の手段の一つであるという考え方は保ったまま、シンプルなコーディネートでも華やかに見せたり、プチプラブランドで高見えファッションを実現するなど、楽しみ方も変化しました。

 

少ない中で工夫できる人こそがファッショニスタだという考え方にシフトしていて、それはまさに、シンプルだけれど豊かで丁寧な暮らしの代表例となっているのです。

ショッピングにも時短が求められている

 

ユーザーが買い物に行った際、洋服だけでなく、雑貨やインテリアなど、一つのショップですべてが事足りれば時短になります。

 

仕事や勉強、家事や子育てに追われる中で、少しでも多くの時間をショッピングに費やしてもらうためには、ライフスタイルとして魅力的なショップである必要があるのです。

 

ますます便利になる都市型の駅ビル、駅近の商業施設を筆頭に、仕事帰りのスキマ時間を使ってショッピングをする人たちにとって魅力的なのは、ライフスタイルを丸ごと提案してくれる効率的なショップということになります。

 

昔ながらの商店街は、野菜を買うなら八百屋さん、魚は魚屋さんと、住み分けされている環境でした。

 

そこに便利な総合スーパーができたように、ライフスタイル型ファッションブランドが充実することは必然とも言えます。

 

 

 

ファッションとインテリア、食へのこだわりなど、衣食住を通してよりスマートに効率的に生きる。ライフスタイル型ファッションブランドは、ムダを省いて自分らしく生きることを後押ししてくれる存在なのかもしれません。